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思わぬ告白④

 だって彼と僕は、高校に在学中ですらほとんど会話らしい会話を交わしたことがなかったのだ。  なのに皆の人気者であり、イケメン御曹司の早乙女くんが、ド陰キャ代表の僕なんかの事を、ずっと好きだっただって?  その上何がどうなったらそうなるのか、不思議過ぎるのだが。  ……付き合える事になった、だと?   僕とこの、早乙女くんが!?  しかもクールで落ち着いた印象の彼が、それに舞い上がるとか。  こうなったら、素直に認めよう。  カラダの関係はおそらく、昨日のうちに彼と持ったのだろうと。  僕は酔っていたから記憶はないが、早乙女くんに抱かれ、後ろのはじめてを奪われたらしい。  だけどだからといって、|付き合う事《・・・・・》にはなっていない……はずだ。  酔っていたとはいえ彼とヤるのは相当気持ちが良かったみたいだし、今さらレイプをされたと騒ぎ立てるつもりはないが、僕はノーマルであり、一度寝たからといって早乙女くんと付き合おうとはならない。  なるはずが、ない。絶対、無理!  そんな事を考えていたら、いつの間にかまた至近距離で、顔をじっと覗き込まれていた。   「もしかして、俺に告白されたのも忘れてた?  俺は大晴が、大好きだよ。  ……ずっと忘れられなくて、苦しかった」  美しい濃灰色の瞳から目をそらす事が出来ず、ぼんやりとただ無言のまま見つめていたら、彼はまた俺の唇をキスで塞いだ。  荒く熱い、息遣い。  震える、指先。  その全てから、彼の気持ちが伝わってきて。  ……僕はますます混乱し、されるがままただその口付けを受け入れた。

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