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欲情連鎖②

 割り切ってしまえば、どうという事はないと思っていた。  だって行為の最中はただ与えられる刺激に溺れていたさえ、何も考えなくても済むから。  彼がいくら僕に愛情を捧げてくれようと、僕はきっと変わらない。  でも気持ちの良い事は好きだし、彼がセフレになってくれたさえ、寂しさを紛らわせるためだけに、相手をわざわざ探す煩わしさもなくなる。  それに彼相手ならば、こちらが積極的にならずとも、受け身でいても許されるし。  そんな風に考えていたというのに、早乙女くんはそうはさせてくれなくて。  僕に向けられる真っ直ぐな愛情に戸惑い、またしてもどうしたら良いか分からなくなってしまった。 「大晴。別に深く考えなくて良いよ?  今は、まだ」  僕のそんな悩みすらも、すべて見透かされているのであろう発言。  本気で彼が好きでいてくれているのに気付きながら、僕はその言葉に甘え、そっと目を閉じた。  彼の柔らかな唇が、剥き出しになった僕の肌の上を這う。  耳たぶ、首筋、鎖骨……そして胸の先端へと順に舌先が触れる度、体が大きく震えた。  彼と関係を持つまで、そんな場所を誰かに重点的に触れられた事は無かった。  だけど僕のカラダは、もうそこが気持ちいいって知っている。  期待感からハァと小さく吐息を漏らすと、早乙女くんはクスリと笑った。  軽く立てられた、歯先。  だけどそれはやはり痛みではなく、快楽をもたらした。  甘噛みされ、次に子猫がミルクを飲むみたいにピチャピチャと音を立てて舐められると、僕はまだ胸しか攻められていないというのに恥ずかしい喘ぎ声をあげ続けた。  そして意識が完全にそこにいっている隙を突かれ、後孔に手を伸ばされたかと思うと、指先でその周辺をねっとりとなぞられた。

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