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地獄の金曜日③
そんな中、早乙女くんからまた一通のメッセージが届いた。
書かれていた内容は、そう。
『今夜、お前の部屋の前で待ってる』
は?……今夜!?
それはいったい、何時頃を指すというのか?
この男が強引で、自分勝手なのはいつもの事。
だから待っていると言われたからと言って、元々今日は出掛ける予定だと伝えていたし、慌てて家に帰る必要もない。
……そう、思うのに。
聞いてもいないのに教えられた彼の仕事の定時は、基本20時。
変則的ではあるようだが、遅くとも21時には終わるはず。
現在の時刻は、20時38分。
……まさか、今から待つつもりじゃないよな?
待つのは苦にならないが、人を待たせるのは昔から苦手だ。
だけどだからといって、今から飲み会を抜けて帰りますと言えるほどの強心臓を、僕は持ち合わせていない。
彼からのメッセージは、結局なんて返すのが正解か分からず、朝からずっと既読スルーしてしまっていた。
しかしずっと放置したまま、家の外で待たせ続けるワケにもいかず。
……僕はフゥと溜め息を吐き、しぶしぶながら返信を送った。
『急に言われても、困るよ。
早くても、23時くらいになると思う。
だからまた、日を改めて』
すぐに付いた、既読マーク。
そして返ってきた、更なる返信。
『俺が待ちたいから待つだけだから、気にしないでいいよ』
気になんか、するに決まっているだろう!!
日和さんがまた僕に話し掛けて来ていたけれど、ちょっとごめんとだけ言って席を立った。
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