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拘束プレイ③
「大晴の声は可愛くて大好きだけど、ちょっと今は静かにしてて」
にこやかにそう言うと、彼はクローゼットの扉を開けて、何やら段ボール箱を取り出してきた。
その中から出てきたのは、明らかに怪しい雰囲気の、大人のオモチャ達。
こんなの、AVでしか見た事ない。
……ホントに実在、してたんだな。
他人事のように考えたけれど、おそらくこれからこれを使われるのは僕自身。
しかもあっさり捕まり、拘束までされてしまった今、抵抗する術はない。
ゴソゴソとその、卑猥極まりないオモチャ箱を楽しそうに漁る早乙女くん。
「あった!これだ、これ。
大晴。何か、分かる?」
見せられたのは、真っ黒な丸いボールのようなモノ。
そしてそれには、丸い穴がたくさん空いている。
「まさか……入れるつもりじゃ、無いよね?
そんなのさすがに、入らないよ!」
恐怖に震えながら、答えた。
すると早乙女くんはまたしてもブハッと吹き出し、楽しそうに笑いながら言った。
「さすがにこれは、突っ込まねぇよ。
あんまり拡張し過ぎたら、俺も気持ちよくないしな。
これは、ボールギャグ。
いわゆる、|猿轡《さるぐつわ》的なヤツね?
穴が空いてるから息苦しくはないはずだけど、ちょっと顎は疲れるかも」
そんな事を説明をしながら、彼はカチャカチャと音を立て、唖然とする僕の口へと装置した。
「んっ……ぐっ……!」
こんなもの今すぐ外してと訴えたいのに、僕の唇から溢れ出るのは、くぐもった言葉にもならない声だけ。
「はい、完成。アハハ、そんなにも嫌?」
顎先に指を添え、グッと上を向かされた。
だから必死にこくこくと、何度も頷いたのに。
……彼がそれを外してくれる事は、無かった。
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