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僕は、君がいい①

 ベッドの、上。  窓から射し込む朝の光の眩しさに目を覚ますと横には、僕の事を腕枕したまま眠る早乙女くんの姿。    睫毛、長いなぁ。  ……あと起きてるとこわい時もあるけど、寝顔はちょっと可愛い。  すっかり忘れていた懐かしい夢を見たせいか、それともよく眠ったせいなのか。  不思議と怒りだとか、悲しいといった負の感情は綺麗さっぱり消え失せていた。    とはいえ腰は痛いし、あんなモノ(・・・・・)をずっと突っ込まれていたせいで、抜かれた後も異物感が凄いけれど。  手を伸ばし、彼の黒髪にそっと触れてみる。  するとくすぐったそうに彼は体をちょっぴり丸め、僕の事を強く抱き締めた。  夢の中での出来事は、すべて僕と彼の過去の記憶だ。  あの頃の僕は、彼に憧れていて。   ……そして彼は以前告白してくれた通り、僕の事を好きだったのだろうと思う。  当時はまるで気が付かなかったけれど、いつだって飄々としていた彼の、異常なまでの僕への執着。  その片鱗は、既にあの頃見えていた。  でも、だから僕はそれがこわくて、逃げ出したんだ。  彼の、想いから。  ……僕自身の、気持ちからも。  もぞもぞと体を動かしたかと思うと、彼の瞳がゆっくりと開いた。  そして視界に僕の姿を認めると、早乙女くんは嬉しそうにくしゃりと笑った。 「おはよ、大晴」  まだ寝惚けているらしき様子ではあるものの、当たり前みたいな顔をして、僕にキスをしようとする早乙女くん。  僕はそれを華麗に避けて、わざと冷たい口調で告げた。 「おはよう、早乙女くん。  ……お尻の違和感ヤバいし、口もまだすっごくダルいんだけど?」

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