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はじめての奉仕①

「なんとでも、言えば?  でも初めてだからあまり上手くないと思うけど、そこは我慢してよね」  同性相手にこんな事をするのは、実際本当に初めてだ。  だから先に、言い訳の言葉を口にしたというのに。  ……遼河くんはニヤリと笑い、答えた。 「当たり前。逆にこんなのに慣れてたら、許さなかったし」  えっと……これは、笑うところ?  困惑しながらも、真意を探るべく彼の顔をじっと見つめる。    うん。……これ割と、本気なヤツだ。  少しずつ分かり始めた、地雷の場所と行動パターン。  しかも地雷はあちこちに埋まっているらしいから、今後も発言には気を付けた方が良さそうだ。   そう考え、今は余計な事は言うまいと心に決めて、のそのそとベッドから体を起こした。  しかし、口ですると言ったものの。  ……脱がせるところから、僕の仕事なのだろうか?  その第一歩で(つまず)いてしまい、途方に暮れる僕。 「ほら、大晴。口で、抜いてくれるんだろ?  早く、しろよ」  ククッと意地悪く笑いながら、だらりと全身の力を抜き、寝転がる彼。  その仕草は、とてつもなく色っぽくて。  ……そんな彼を見下ろしたまま、ゴクリと喉が鳴るのを感じた。  半ばパニック状態に陥りながらも、それ以上遼河くんが動く気配が無かったから、覚悟を決めて彼が履いていたスウェットの腰紐に手を伸ばした。    楽しそうにニヤニヤと、ゲスな笑みを浮かべたままそれを見守る遼河くん。  やっぱりこの男、性格が悪い!  それでも平静を装ってスルリと紐をほどき、ズボンを下げるとそこには。  ……下着の上からでも分かる、既に臨戦態勢にある彼のモノ。

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