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僕と彼の関係③
***
「あれ?トランプ、まだ始めてなかったんだ」
風呂から上がってきた遼河くんが、クスリと笑って言った。
「うん。三人の方が、楽しいし。
どうせならなんか、賭けてやろうぜ!」
いつまで経っても少年の心を忘れない知之が、満面の笑みを浮かべてそんな提案をしてきた。
「良いね。何を、賭ける?」
まだ完全に渇ききっていない黒髪をタオルで拭きながらニッと笑って答える遼河くんの表情は、見慣れているはずの僕から見ても、とてつもなく色っぽい。
「うーん。どうしよっか。
……ってお前、なんか無駄にエロくね?」
知之が、ボソッと呟いた。
……思った事を、本当に何でもすぐに口にするな、コイツ。
「はぁ?なんだよ、それ。
セクシーと言え、セクシーと。
あとさぁ……無駄に、は余計じゃね?」
ふざけてわざとパジャマ代わりのTシャツをまくり上げ、自身の腹筋に指先を這わせるその仕草は、確かにエロい。
エロ過ぎる。……無駄に。
「無駄でしょ、ホント。
……今そのエロさを出す意味、無いと思う」
本当は少しだけドキリとしたけれど、わざと冷たく言い放ってやった。
「なら、いつなら良いの?」
僕の顎先に指をやり、無理矢理視線を合わせると、遼河くんは聞いた。
こんなの。……こんなの絶対に、わざとだ!
……僕が本当はドキドキしてるって、気付いてる癖に。
「おーい、セクハラ禁止!
大晴、めっちゃ赤くなってるじゃん」
いまだに僕の事を童貞だとかたく信じている知之が僕を庇い、背後から抱き締めるみたいにして遼河くんから引き離してくれた。
だけど遼河くんにこんな真似をされるのも、実は日常茶飯事で。
……親友である知之にも話せないこんな関係、本当に続けていても良いのだろうか?
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