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嘘つきなココロと、素直なカラダ②

「あまり激しくするのは、今日は禁止だから。  ……あと、しつこくするのも駄目」  瞳を開け、仏頂面で渋々ながら口にした許可の言葉。   「今日は、ねぇ……。了解!  なるべく、努力します」  クスクスと笑いながら答えられたけれど、やはりこの男。  ……まるで、信用ならない!  しかしどうせ抱かれるのであれば、下手に抵抗はしない方が得策だろう。  それはさすがに、僕ももう身をもって学んだ。  まるで恋人同士がするような、甘い口付け。  それに酔う間もなく、彼の右手が再び僕の上をゆっくりと這い始めた。  焦らすようなその緩慢な動きに、徐々に素直になり始めるカラダ。  ココロも同じように、彼の望み通り簡単に堕ちてしまえたら、いっそ楽なのに。  最初は脇腹の辺りを撫でていた彼の大きな手のひらが、少しずつ上に上がってくる気配。  それに気付き、期待感からゴクリと喉が鳴った。  そしてその手は僕の期待を裏切る事なく、優しく僕の胸の先端に直接触れた。 「なに?コレ。  触る前から、もう乳首勃ってんだけど。  ……ホント、エロいカラダ」    クスクスとちょっと意地悪く笑いながら軽く摘ままれ、転がされると、否定の言葉ではなく卑猥な喘ぎ声が溢れた。 「今日は声出すの禁止って、さっきも言ったよな?  ……ちゃんと我慢しろよ」  そんな風に言う癖に、彼のしなやかな指先は僕の胸にイタズラするのをやめてくれなくて。  だから声を堪えるため、軽く唇を噛むと、彼の眉間に深いシワが刻まれた。 「可愛い唇に、傷がつくだろ。  ……だからそれは、駄目」  優しく唇を、舌でなぞられて。  自然と開いたそこに、彼の舌が差し込まれた。

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