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嘘つきなココロと、素直なカラダ③
キスをしながら胸を触られると、僕はいつもあっさり感じさせられ、蕩けさせられてしまう。
元々潔癖なところのある僕は、キスなんてあまり好きじゃなかったはずなのに。
以前酔った時に知之が言っていた、『キスの相性がよい相手とは、カラダの相性も良いらしい』という胡散臭い事この上ない豆知識。
しかしそれは、あながち嘘ではなかったのかもしれない。
だって遼河くんとのセックスは男同士だというのに、信じられないくらいいつも気持ちいいから。
「大晴。今日はあれ、使ってみない?」
そう言って彼は罰ゲームで購入した、オモチャの入った紙袋の方を指差した。
買いに行った時から、正直嫌な予感はしていたのだ。
だけど今、隣の部屋で知之が寝ているこの状況で、それを言うのか……。
改めて彼の変態具合いにドン引きし、ふるふると左右に首を振る。
しかし彼はプッと吹き出したかと思うと、ニヤニヤとゲスな笑みを浮かべて言った。
「まぁお前に拒否権なんて、今回もないんだけどね」
なら、聞くなよ!
だけどそれを言ったところで、底意地の悪いこの男を喜ばせるだけだと思ったから、無言のままただ彼の顔を睨み付けた。
僕から体を離し、床から起き上がると、彼は紙袋に手を伸ばした。
そして中からド派手なピンクと白のボーダー模様の箱を取り出すと、僕の事を背後から抱き締めたまま、耳元で説明書きを読み上げ始めた。
くっ……なんだよ?この、羞恥プレイ!
彼の、腕の中。
あまりに恥ずかしくて震える僕を見下ろしたまま、楽しそうに笑う遼河くん。
……ホント悪趣味だし、意地が悪過ぎる。
なのに同時に未知なるそのオモチャの与えてくれる感覚に期待して、ちょっとだけ興奮してしまっている自分にも本当は気付いていたけれど。
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