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親友②
なるほどね。……やはり僕の名前なんて、もう聞くのも嫌という事か。
本当は知之の口から彼の話が出た時、少しだけ期待したのだ。
もしかしてあんな風に僕との関係を終わらせた事を、遼河くんも少しくらいは後悔してくれているんじゃないかなって。
でもそんなのは、僕の単なる願望で。
いつの間にか、思っていた以上に彼に疎まれていたのだと、思い知らされただけだった。
「知之。……僕ね、遼河くんの事が、好きだったんだ」
ずっと誰にも言えないまま、抱えてきた想い。
酒の勢いもあり、ついそれが溢れ出してしまった。
言ってから、しまったと思ったのだけれど。
……知之は別段驚いた様子もなく、呆れ顔で答えた。
「うん、知ってる。
……てかさ、なんで付き合ってるの、バレてないと思ってるんだよ?
俺が泊まってる時にまでふたりして、|盛《さか》りまくってた癖に」
「へ……?」
予想外の返答に、思わず変な声が出た。
と言っても実際は、付き合ってはいないワケだが。
すると知之はちょっとびっくりした様子で、いつもは糸のように細い目をカッと見開いた。
「えぇ!?お前マジで、気付いてなかったの!?
泊まりに行ったあの夜、途中で目が覚めて水飲みにキッチンに行こうとしたら、ドアが少し開いててさぁ。
そこで俺、遼河とバッチリ目が合っちゃって。
……そしたらアイツスッゲェ恐ろしい目で俺の事を睨んだ上、あろう事か口パクで、『見たら、殺す』って脅して来やがったんだぞ!」
その時の事を思い出したのか、蒼白な面持ちで身震いする知之。
なんだよ?それ……。ぜんっぜん、知らない!
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