128 / 132
好き④
「でもさ、考えてもみろよ?
大晴はそんな素敵な俺様に、溺愛されてるんだぞ?
しかも高校生の頃から、ずっと。
だからお前はもっと、自分に自信を持っていい」
ニヤリと笑って言われた、傲慢過ぎる愛の言葉。
それを聞き、つい吹き出した。
だけど、確かに。
……この彼のココロを乱し、狂わせる事が出来るのはこの広い世界で、きっと僕ひとり。
自分には自信がなくても、信じてみても良いかもしれない。
彼の気持ちと、この重過ぎる愛を。
「やっぱりお前、笑ってる方が良いな。
泣き顔も可愛いし、めちゃくちゃに|鳴かせる《・・・・》のも嫌いじゃないけど」
……本当に、なんて事を言いやがるのだ。
文句のひとつも言ってやろうとしたけれど、優しく唇に口付けられたから、それはかなわなかった。
そっと僕の髪に触れる、彼の大きな手のひら。
でもその手は徐々に下におりてきて、そのまま胸の頂に服の上から触れた。
「……ホント遼河くんってば、獣だよね」
呆れ口調で、言ってやった。
でも彼はフフンと笑い、今度は強くそこを摘まみ、転がした。
「何とでも、言えよ。ただしこんなのは、お前限定だけどな。
お預けを、たっぷり食らわされたんだ。……焦らした分、今日は貪らせろ」
ふざけて両手を高く掲げ、ガオーと吠える遼河くん。
……こういうところ、ホント子供みたいで可愛くて好き。
シャツのボタンを、ひとつ、ふたつと外されていく。
でも1ヶ月もの間、焦らされていたのは僕も同じで。
抵抗する事なく、むしろ積極的に腰を浮かせ、僕を脱がせようとする彼に協力した。
満足げに微笑む、濃灰色の瞳をした猛獣。
そこからは言葉もないまま、夢中でふたり、キスを交わした。
ともだちにシェアしよう!