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好き④

「でもさ、考えてもみろよ?  大晴はそんな素敵な俺様に、溺愛されてるんだぞ?  しかも高校生の頃から、ずっと。  だからお前はもっと、自分に自信を持っていい」  ニヤリと笑って言われた、傲慢過ぎる愛の言葉。  それを聞き、つい吹き出した。  だけど、確かに。  ……この彼のココロを乱し、狂わせる事が出来るのはこの広い世界で、きっと僕ひとり。  自分には自信がなくても、信じてみても良いかもしれない。  彼の気持ちと、この重過ぎる愛を。 「やっぱりお前、笑ってる方が良いな。  泣き顔も可愛いし、めちゃくちゃに|鳴かせる《・・・・》のも嫌いじゃないけど」  ……本当に、なんて事を言いやがるのだ。  文句のひとつも言ってやろうとしたけれど、優しく唇に口付けられたから、それはかなわなかった。    そっと僕の髪に触れる、彼の大きな手のひら。  でもその手は徐々に下におりてきて、そのまま胸の頂に服の上から触れた。 「……ホント遼河くんってば、獣だよね」     呆れ口調で、言ってやった。  でも彼はフフンと笑い、今度は強くそこを摘まみ、転がした。 「何とでも、言えよ。ただしこんなのは、お前限定だけどな。  お預けを、たっぷり食らわされたんだ。……焦らした分、今日は貪らせろ」  ふざけて両手を高く掲げ、ガオーと吠える遼河くん。  ……こういうところ、ホント子供みたいで可愛くて好き。  シャツのボタンを、ひとつ、ふたつと外されていく。  でも1ヶ月もの間、焦らされていたのは僕も同じで。  抵抗する事なく、むしろ積極的に腰を浮かせ、僕を脱がせようとする彼に協力した。    満足げに微笑む、濃灰色の瞳をした猛獣。  そこからは言葉もないまま、夢中でふたり、キスを交わした。

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