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素直なココロで①
気持ちを伝え合ったら、今度はただその関係の終わりを恐れる事になるのだと思っていた。
なのに実際の僕は、かつてないぐらい満たされていた。
……ココロも、カラダも。
僕のカラダに付けられた、無数のキスマーク。
これまでも嬉しかったけれど、本当に彼の所有物になれた気がして、その悦びは今までの比じゃなかった。
そしてこの日僕ははじめて、彼の首筋にも痕を残した。
これもきっと、恋人同士だけの|特別《・・》。
こっそり付けたつもりだったのにキスマークに気付くと、遼河くんの顔は見る間に赤くなり、それから彼は幸せそうにくしゃりと笑った。
彼の指が、僕の中に侵入してくる気配。
だけど遼河くんは少し挿入したあと、クスリと意地悪く笑った。
「大晴。何?これ……。
久しぶりのはずなのに、スッゲェ柔らかいんだけど」
その言葉の意味が分からず、じっと彼の顔を見上げ、首をかしげた。
すると彼は指をさらに増やし、ゆっくり焦らすように出し入れを繰り返しながら、耳元で囁いた。
「普通1ヶ月も使ってなかったら、こんな簡単には入らないはずなんだよね。
……もしかして大晴、自分でここも弄ってた?」
男同士のこういった行為に疎い僕は、そんな事すら知らなかった。
だから彼に指摘され、あまりにも恥ずかしくて泣きそうになってしまった。
だって僕は遼河くんの言う通り、彼に逢えない間寂しさを紛らわすため、自分で自分を慰める事があった。
そして彼の手ですっかりメスのカラダに作り替えられていた僕はその際、後ろを触るのが当たり前になってしまっていた。
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