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素直なココロで②

 彼の指を締め付ける力が、自然と強くなる。  それに気付いたのか、遼河くんはまたクスクスと笑いながら聞いた。 「なぁ、大晴。ちゃんと、答えて?      その時、何を……誰を想って、した?」  だけどそんなの、答えられるはずが無いじゃないか!  ……まさか君を想って、ひとりでしてましただなんて。  ブンブンと左右に首を振り、行使した黙秘権。  すると彼はニヤリと笑い、とんでもない爆弾を投下した。 「俺は、したよ?  逢えない間、お前を何度も妄想で抱いた」  くっ……!これはこれで、恥ずかし過ぎる。  だけど彼は、攻めの手を緩める事なく、意地悪く僕の事を見つめたままもう一度聞いた。 「答えろよ、大晴。  俺を想って、お前もしたんだろ?」  こういう時の遼河くんはやっぱり、イキイキしているな。ホント、悪趣味過ぎる。  なのにそんな風に聞かれ、興奮している自分もいて。  ……顔を両手で隠し、半泣きで答えた。 「……したよ。悪い?」  絶対にからかわれると思ったのに、彼は優しく僕の頭を撫でてくれた。 「悪くない。めちゃくちゃ、嬉しい。  お前も俺の事を、そんなにも欲しがってくれてたんだなって」  両手首を掴まれ、隠していた顔を無理矢理露にされ、荒々しく口付けられて。 「ごめん、可愛過ぎて無理。  もうこのまま、挿れてい?」  前戯もそこそこに、上ずったような、発情しきったセクシーな声で聞かれた。  そのため彼も僕と同じぐらい、興奮してくれているんだと伝わってくる。  僕が小さく頷くと足首を掴まれ、大きく足を開かされたかと思うと、彼はそのまま挿入の体勢を取った。  これまではいつも彼は、コンドームを使って行為に及んだ。  だけどこの日彼ははじめて、着けずに僕を抱いた。

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