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微妙な関係

「――っ?」 突然鳴り響く機械的な着信音でほわりと目が覚めた。 見慣れない天井や景色に一瞬ココは何処だろう?と、呆けてしまった。重い瞼をこすりながら寝返りを打つと、目の前に金髪碧眼のどアップがあって、壮馬はギョッと身を縮こまらせた。 そうだった。夕べ、自分はリチャードと……。昨夜の出来事を一気に色々と思いだして顔からボッと火が出そうにな理想な勢いで赤くなる。 「あ、あの監督、……電話ですよ?」 「ん~、悪いが……取ってくれないか」 まだ眠いのか軽く揺すってみても起き上がる気配が全くない。仕方なく気怠い身体を起こすと、ベッドから降りた。その拍子に内股に生暖かいものが流れる。 「っ……」 昨晩散々中に出されたリチャードの精液が洩れ出てきたのだ。 昨晩の事を再び思い出しそうになったのを無理やり頭から追い出し、急いで汚れを拭ってからリビングに行き、鳴り続けるスマホを手に戻ると未だに夢現なリチャードの手にそれを握らせた。 一体今は何時だろう? ふと気になって、床に散らばっている服をかき集め、時計に目を向けると、後三時間ほどでウォーミングアップの時間が迫っていることに気付いた。 移動やその他諸々の準備の時間を考慮すると、そろそろ部屋に戻らなくてはいけない。 「……壮馬」 突然、背後から腰に白い腕が巻き付いて来て耳に息を吹き込むようにして名前を呼ばれ、少し落ち着いていた体温が再び上昇していくのがわかった。 「み,耳元で話しかけないで下さい!」 「なぜ? 感じるからか?」 「……っち、違います! そうじゃなくって……っ」 図星だと思われるのが嫌で、咄嵯に否定したが、リチャードはククッと喉を鳴らすとそのまま抱きついて来る。 「ちょっと! 電話は?」 「あぁ、もう終わった。そんな事より……。一緒にシャワーでも浴びよう」 関係を持った翌朝と言うのはこんなにも気恥ずかしいものだっただろうか?  甘さの滴るセクシーな声色に囁かれてドキドキしない方がおかしいと思う。 「い、いえ。あのっ! 色々と準備もあるので僕は部屋で入ります」 「どうせお互い裸なんだし、構わないだろう?」 「それは、そうですけど……でも」 「でも?」 恥ずかしくなって俯いた壮馬の頬に指がかかり強制的に顔をリチャードの方へと向けられる。アイスブルーの瞳と目が合うと、途端に唇を塞がれた。

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