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戸惑いと葛藤と 11

「でも、まぁ……。これでよかったんだと思います。助け船を出してくれてありがとうございます」 「急に素直になったな。なんだかムズムズするぞ」 リチャードはわざとらしく肩を竦め、苦笑いを浮かべる。 「ちょっと! 酷くないですか?」 「フッ、冗談だ。素直なソウマはキュートだよ」 「キ、キュ……んっ」 唐突に唇を塞がれた。避ける暇もなかった。驚いて顔を引こうとしたものの、そのままリチャードの胸に引き寄せられて自由を奪われる。 キスは、触れるだけの優しいものじゃなかった。角度を変えて何度も重ね合わされ、息継ぎの合間に彼の舌先が歯列を割って入り込んでくる。 たばこの匂いは苦手な筈なのに、彼の付けるフレグランスの香りと混ざり合った男臭い匂いを間近で感じ、口内に甘い痺れが走った。 逃れようと抵抗するのに、舌を絡め取られ吸い上げられるとゾクゾクと腰が震える。上顎を舐められれば身体の力が抜けてしまい、彼に縋りつかなければ立っていられなくて壮馬は堪らずリチャードのシャツを掴んだ。 「あ……ふ……っ」 唇がジンと痺れる位のキスをして、ようやく解放された時には膝が笑ってしまって、支え無しでは立っていられない状態だった。 「……っ狡いです……こんなキス……」 壮馬は肩で息をしながら、潤んだ瞳で彼を見上げた。リチャードは、熱を孕んだ瞳を細めると、見せつけるように舌なめずりをしてから人差し指を壮馬の唇の輪郭に押し当てる。 「気持ちよかったか?」 「っ……馬鹿じゃないですか!?」 耳元で熱に濡れた甘くセクシー声が響き、ゾクリとして腰が疼いた。腰が砕けそうになるくらい気持ち良くて、壮馬は耳まで真っ赤に染め上げて彼の胸を押し返した。

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