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怒ってる……? 2

「か、監督!」 突然現れたリチャードには、さすがに外村も面食らったようだった。一体、どういうことかと二人を見比べる。 その視線が居た堪れなくて、壮馬はリチャードの腕の中で身を捩った。 「ちょっと、何なんですか! 離して下さい!」 「……ミスター外村。悪いがソウマは俺のモノだ。諦めてくれないか」 「なっ、何を言って……」 突然の発言に二人とも絶句。外村の信じられないと言った表情と視線が突き刺さる。 「……どういう、意味ですか? 彼は男性ですが?」 「キミだって男だろう?」 「……」 外村の問いに、リチャードは至極当たり前のように答える。ちょっとした昔話を交えての近況報告のつもりだったのに、何故今、こんな状況になっているのだろうかと壮馬は思わず頭を抱えたくなった。 「……一ノ瀬。今日は邪魔が入ったから一旦引くが、俺は必ずお前を手に入れるからな。また、連絡する」 付近を通る関係者たちの足音と周囲のざわめきが大きくなるのを感じて、外村はチッと舌打ちを一つすると流石に分が悪いと思ったのか、リチャードにガッチリとホールドされている壮馬を指さし外村は立ち去って行ったが、最後に爆弾を落として行った。 リチャードと壮馬の関係は嘘だと思っているのだろう。実際、壮馬は認めていないし、リチャードのモノになったつもりもない。壮馬の動揺を見てピンと来るものがあったから、外村はわざとあんな捨て台詞のような言い方をしたに違いない。 「……ちょっと! なんであんな嘘言ったりしたんですかっ!」 「嘘とは酷いな。もう何度も抱き合った仲じゃないか」 「そ、それは……っ、そう、ですが……でも! 僕は貴方のモノになった覚えは無いですし……」 壮馬のその言葉にリチャードの片眉がピクリと跳ね上がる。そして、あからさまにムッとした表情に変わった。 「あの男の方がいいのか? 俺より?」 「そう言う事じゃなくて……っ」 違う、そうじゃない。なんでそんな話になるんだ。

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