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怒ってる……? 4

あぁ、疲れた。  ホテルに戻り自分の部屋のベッドに寝そべると、壮馬ははぁ、と重い息を吐いた。 あの後、一次会には祥太郎も当然来ていて、メンバー達と楽しく酒を酌み交わしていた。 いつも隣に座る壮馬が、今日は離れて座っている事に疑問を投げかけてくるメンバーも居たが、得意の営業スマイルを貼り付かせて何とか乗り越えることが出来た。 ずっと目標にして来た舞台。夢にまで見た優勝。 それなのに……心の奥底から喜ぶことが出来ない。 酒が入り、一人になるとやはりどうしても、虚しさや寂しさが募ってしまう。 今日の飲み会で、祥太郎は奥さんと一緒に産婦人科へ行った時に貰ったと言う、お腹のエコーの写真を嬉しそうに披露していた。 来月には生まれるのだと、とても幸せそうな顔で言うものだから、壮馬は何も言えずただ曖昧に微笑むしか出来なかった。 自分は男だから、子を持つ事は出来ないし、父親になる事だって出来ない。 それは自分が一番よくわかっている。 だからこそ、祥太郎の幸せそうな顔を見て切なさを感じたし、素直に喜べない自分に嫌悪した。 「……はぁ……」 ここ数日、リチャードに振り回されっぱなしで、考える余裕を与えられることなく熱い夜を過ごしていたから、こんな風に一人静かな時間を過ごすのは正直辛い。どうしようも無く寂しい。虚しい。 そんな気持ちを抱えながら壮馬は目を閉じた。

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