54 / 102

怒ってる? 8

「さて、もう夜も遅い。ソウマの可愛らしい声を聴いていたらムラムラしてきちまったし、そろそろ寝ようか」 リチャードはそう言ってソファから立ち上がると、壮馬の身体をお姫様抱っこで抱き上げた。 「っ、ちょ…… っ」 「このままベッドまで運んでやる」 リチャードは上機嫌に笑うとベッドに横たえさせた。 そして再び首筋に唇を寄せられたと思ったら舌先で擽るように舐められる。 「ぁ…… っ」 思わず上擦った声が洩れて、ソウマは慌ててリチャードを両手で突っ撥ねた。 「な、なにするんですか!」 「んー? ソウマを味わいたいから、少し味見をしようかと思ってね」 「…… っ、あ…… ッ」 その手を取り、ジッと反応を探るように見つめながら指先を咥えられ、熱い舌でねっとりと舐めあげられればゾクゾクと背筋が震えてしまう。 「ぁ…… っ、ん…… ッも、今日は何もしないって…… っ言ったのに…… っ」 何度も丹念に指先に舌が這わされ、身を震わせながら潤んだ瞳で訴えれば、リチャードは妖艶に微笑んだ。 「キスしているだけ、じゃないか」 「そんなの…… ッ」 屁理屈だ! と悪態を吐きたいのに、リチャードの舌に捕らわれた指先が甘く痺れて上手く言葉が出ない。 「ん……っ、ふ……ッ」 ちゅくちゅくと音を立てながら嬲られ、舌を指の間に挟んで扱かれれば嫌でも変な気分にさせられる。 「ぁ……ッ、んん……っ」 指が性感帯にでもなったかのように背筋がゾクゾクして下腹部が熱を帯び始めるから、壮馬は無意識に足を擦り合わせた。

ともだちにシェアしよう!