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怒ってる? 9
「……っ」
それに気付かない程鈍感ではない筈なのに、リチャードは何も見えていないかのように律儀にキスをしながら服の上から胸元を弄るように撫でてくる。
「ふ、ぁ……っ」
やわやわと揉みしだくように指先が滑っていくと、乳首が布地に擦れて何とももどかしい疼きを感じてしまう。
「ソウマは、ここを触られるのが好きなんだろう? 随分と反応がいいな」
言いながら両胸の中心をきゅっと摘まれれば、身体が勝手にビクビクと小さく跳ね上がった。
「んん……ッ、ちがっ、ぁ、……好きじゃないっですって」
言葉でいくら否定してみても全然説得力が無い。胸の飾りを摘ままれる度に甘い痺れが下肢へと熱を運んでくるから壮馬は堪らず腰をくねらせた。
「ん……っ、あぁ……ッ」
執拗に捏ね回されて硬くしこった乳首を服の上からカリカリと爪で引っ搔かれる。そのもどかしい刺激が堪らなくて、もっと強い快感が欲しくて無意識のうちに胸を突き出すような仕草をしてしまう。
「違うと言ってるわりには胸を押し付けて。随分と気持ちよさそうな声を上げるじゃないか」
「……っ、ちが……っ」
「違わないだろ? 」
リチャードはくすくすと笑い、耳元に息を吹き込むようにしながら壮馬の耳朶を口に含む。
「ん、ぁ……っ」
「どこもかしこも美味しそうだ」
耳の中に舌が潜り込んできて、くちゅりと鼓膜を震わせる音が脳にまで響いてくる。ゾクゾクと背筋が震え、駄目だと思った側から腰から下が甘く蕩けて言う事をきいてくれない。
「は……ふ……んんっ……っ」
下腹部がズクズクと疼いて仕方がないのに、リチャードは一向にソコに触れてくることは無く、もどかしくて、そろりと手を自身の中心に伸ばしかけた。
「おや? 何をしようとしているんだ?」
それに気付いたリチャードは、すかさず壮馬の手を取り、嗜虐的な笑みを浮かべると意地悪く口角を上げる。
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