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怒ってる? 15

「意地悪なのはどっちだろうな」 「えっ、あ……っ」 リチャードは壮馬の腰を引き寄せると、自身の昂ぶりをぐりっと押し付けてきた。 それは既に限界近くまで固く張り詰めていて、布越しでもドクンドクンと脈打っているのがわかる。 「さっきも言っただろう? これ以上は理性が持ちそうにない。あまり可愛い事を言うと、無茶苦茶にしてしまいそうだ」 「っ」 至近距離で熱の籠った瞳を向けられ、壮馬は息を吞んだ。まるで獲物を狙う肉食獣のような瞳。その瞳が壮馬を捉えて離さない。 「ソウマ、もう一度だけ聞くぞ? 本当に……何もしなくていいのか?」 今にも襲い掛かってきそうな気配を纏いながらも、リチャードはあくまでも紳士的に尋ねてくる。 壮馬はごくりと喉を鳴らすと、緊張で震える唇を開いた。 「……っこんな状態で……っ察してくださいっ!」 壮馬は縋るようにリチャードの首に抱き着き、そのまま唇を寄せた。 自らそっと口付けると、リチャードは驚いたように目を見開いた後、すぐに嬉しそうに頬を緩ませ壮馬の後頭部に手を回すと深く口付けてくる。 「んぅ……っふ……ぁ……」 熱い舌が絡みつき、何度も角度を変えて貪るように口付けを繰り返していくうちに腰に痺れが来て立っていられなくなる。 「Hm……。まぁいい。本当はもう少し可愛く強請って欲しかったんだが、それはまた今度の楽しみに取っておくとするか」 リチャードはクスクスと笑いながら、壮馬をベッドへと押し倒した。

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