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伝わらない
「……はぁ」
薄暗い部屋の中、壮馬は火照った身体をベッドに横たえ、熱い吐息を漏らした。
「はぁ……ぁ」
身体は熱く火照っているのに、頭の中は妙に冷静だ。
(結局、あのまま……)
壮馬は隣で寝息を立てるリチャードをチラッと見た後、未だに引かない下腹部の疼きに堪らず熱い吐息を吐き出した。
結局あの後、何度も、何度も求められて……散々啼かされ続けた。
お陰で喉も腰も痛い。
たった一夜だけの関係だった筈なのに、気が付けばもう何度も関係を持ってしまっている。
祥太郎にフラれて半ば自棄になりリチャードを受け入れたが、自分は一体何をしているのだろう。
好きでもない男と寝るような軽い男では無かったはずなのに、何故か彼を拒めない。
しかも今日は散々焦らされて、強請るように強要され、まともに思考が働いている時は絶対に言ったことが無いようなことまで言わされて……。
それなのに、悔しいことに酷く気持ちよくて堪らなかった。
(僕は一体……。何をしているんだ……)
恋人でもない相手と寝るなんて今まで考えた事も無かったのに、リチャードとのセックスに溺れてしまいそうになっている。
こんなのおかしいと頭では分かっているのに、彼に求められると断り切れない自分が居る。
リチャードは、自分をどうしたいのだろう? どういうつもりで自分を抱くのだろうか?
「……っ」
考え事をしている最中に突然背後から抱きしめられて、壮馬はビクッと肩を揺らした。
「ソウマ……何を考えていた?」
少し掠れた声で囁かれる。首筋にかかる吐息がくすぐったくて身を捩ると、逃がさないとばかりに強く引き寄せられる。
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