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寂しい? 20
そのままぐしゃぐしゃと髪の毛を混ぜられ、頭を撫でられる。
子供扱いされているようでちょっと腹が立つが、こうやって頭を撫でられると胸のあたりがキュッとして何も言えなくなってしまう自分が悔しい。
「ソウマ。お前は俺が嫌いか?」
「……っ嫌いなら、わざわざ空港まで迎えになんて行きませんし、それに何度も貴方と関係を持つなんて馬鹿な事しません」
「そうだな。じゃあ、好きか?」
「っ……!」
真っ直ぐに見つめられて息を飲む。答えられずにいるとリチャードはふっと笑い、頭を撫でていた手を滑らせると壮馬の耳を擽るように触る。
「……ぁっ」
くすぐったさに思わず小さく身体が跳ねると、リチャードは目を細めた。
「可愛いな」
「うるさいです。からかわないで下さい!」
ツンとして横を向くと、リチャードはくすくすと笑って再び壮馬の頭を撫でた。
「からかってなんかいないさ。俺はいつだって本気だ」
耳元を擽る手にぴくんと反応してしまう。
「ソウマといると落ち着くんだ。だから傍にいたいし、俺以外の男に触らせたくない。ソウマが他の誰かと仲よくしている所なんて想像したくない。向こうにいる間、お前の姿が無くて気が狂いそうだった」
「ちょ、監督……」
甘い言葉に胸がドキドキする。頬が熱い。こんな風にストレートに気持ちをぶつけられたのは初めてでどうしていいかわからない。
「もしかして、まだショウタロウの事が?」
「ち、違います! もう彼の事は吹っ切れてます!」
「じゃぁどうして?」
「そ、それは……」
言葉に詰まって俯く。リチャードのことを信じていないわけではないし、たった今言われたことだって嘘ではないのだろう。
それでも、もしかしたらまた祥太郎の時のように裏切られるのではないかと思うと素直になることが怖くなってしまうのだ。
2度も信じていた人に裏切られたら、今度こそ立ち直れない。
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