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02-10.
そもそも、多忙な日々を過ごしている影響もあり、夜には疲れ果てて爆睡している為、自分でする機会も年に数回程度だった。
「先走りというのだったか」
陰茎を触れている指先が先走りで濡れる。
「簡単に出てくるのか?」
レオナルドの好奇心からくる質問に対し、ジェイドは笑っていた。
「興奮をしてると出るんだよ。知らねえの?」
「知らなかった」
他人の陰茎など見たこともなければ触ったこともない。
「これからは色々と教えてやるよ」
ジェイドの言葉に対し、レオナルドは首を傾げた。
「男同士でも性行為は必要になるのか?」
「当たり前だろ。愛する者同士、セックスは必要不可欠の触れ合いだ」
ジェイドはレオナルドから愛される自信があるのだろう。
それに対して僅かに同情心を抱いた。
……俺はジェイドのことを知らない。
昨日、出会ったばかりだ。
それもアルフレッドがやらかしたことを謝罪する立場であり、伯爵家を守る為に遠慮なく突きつけられた条件を受け入れただけだ。
「愛がなくても?」
だから、聞いてしまったのだ。
深い意味などなかった。
「問題ねえな」
ジェイドは即答した。
「俺がレオナルドを愛しているように、レオナルドも俺のことを愛するようになる」
自信に溢れた言葉だった。
……理解ができない。
レオナルドは視線をジェイドの陰茎に落とす。気分を台無しにするような会話をわざと続けたというのにもかかわらず、萎えた様子はない。
……家族愛以外の愛情は必要ない。
レオナルドは幼少期から言い聞かされてきた言葉を思い出す。
……兄上が言っていた言葉を思い出せ。俺が道を踏み外さないように何度も言い聞かせられてきた言葉だ。
伯爵邸から出てはいけないと言い聞かされてきた。
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