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02-17.

 ……昔、同じことがあった気がする。  十年以上、伯爵領から出たことがない。  カルミア伯爵家が主催するパーティにだけは参加することが許されている。しかし、それすらも年一回だけであり、必ず家族の同伴がなければいけない。  ……兄上がうるさくなかった頃に同じようなことを言われた気がする。  十年以上、領内に籠っている日々を過ごしているが、何が切っ掛けでそうなったのか、覚えてはいない。  ……あの時、何があったんだっけ。  今までそのようなことを考えたことはなかった。  ただ、敬愛する兄のセドリックが決めたことに従っていただけだ。 「……ジェイド」  レオナルドは首元に顔を埋めようとするジェイドの行動を邪魔しながら、彼の名を呼んだ。 「昔、会ったことがあるか?」  意味のない問いかけだった。  心当たりがあるわけではない。根拠があるわけではない。  しかし、ジェイドがレオナルドのことを知っていたかのように振る舞うことに違和感を抱いたのだろう。 「覚えてねえの?」  ジェイドはレオナルドの耳で囁く。 「十年前に一度だけ会ってる」  ジェイドは笑った。 「俺はずっとレオナルドのことを覚えていたのに、お前は忘れてたんだな」  それからレオナルドを抱き締めながら、掌をレオナルドの股間に置く。既に収まりつつある陰茎を刺激するかのよう撫ぜまわしていく。  ……十年前。  さりげなく、体が触られていることが気にならないほどだった。  ……兄上が俺に領内から出ないように言い付けた時期と同じだ。  セドリックはジェイドを警戒していたのだろうか。  未来のことを知っているかのような言動をする兄の姿を思い出し、レオナルドはようやく十年近くの間、伯爵領内から出ることが許されず、ほとんどの時間を伯爵邸で過ごすように言い聞かせられてきた理由を知った気がした。 「好きだ」  ジェイドは幸せそうに愛を囁いた。 「愛しているんだ」  十年前、初めて出会った時から抱き続けていた感情だったのだろう。

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