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01-6.

「俺が酒を飲んでなければ!」 「どうしようもないことだろう。過ぎてしまったことは元には戻せない」 「でも! よりによって悪魔に利用されていたなんて!!」  アルフレッドは肩を落とす。  二十歳になり、仲間たちと一緒に酒を飲めると浮かれていたのだろう。  許容量を超えても飲んでしまったのか、酒に弱い体質だったのか、アルフレッドは酒の勢いでジェイドの元婚約者と一夜を過ごしてしまった。  そのことを心の底から後悔しているようにも見えた。 「何度も会っていたのだろう?」  一夜の過ちならば、相手を妊娠させる確率は低かっただろう。 「後悔をするのならば、会うのを止めるべきだったな」  レオナルドの言葉に対し、アルフレッドはなにも言い返せなかった。 「相手はどんな人なんだ?」 「……思い出したくもない」 「何度も会っているのに?」  ……脅迫されているのかもしれないな。  一夜の過ちを酷く後悔をしているのは演技ではないだろう。  ……調べさせてはいるが、なかなか、相手の正体が掴めない。  伯爵家の密偵が情報を掴めないのは、侯爵家による圧力がかけられている可能性が高いと書かれた調査結果を思い出す。 「会いたくて会いに行っているわけじゃない!!」  アルフレッドは我慢の限界だと言わんばかりに声をあげた。 「騙されたんだ!」  勢いよく話し始めたアルフレッドの頭から手を退かす。 「兄さんたちに知られたくなければ会いに来いって脅された!」  ……金銭目的か?  金銭が目的ならば、アルフレッドではなく、伯爵家を脅迫するだろう。 「それなのに彼奴は嘘を吐いた!」 「嘘?」 「そうだ! よりによってレオ兄さんに手を出すなんて!」  話の流れが怪しくなる。 「待て」  レオナルドは感情的になるアルフレッドの言葉を遮る。 「脅迫してきた相手はチューベローズ子爵家ではないのか?」  嫌な予感がする。  レオナルドの問いかけに対し、アルフレッドは首を左右に振った。

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