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03-3.
「そんなに楽しみにしていてくれたのか?」
ジェイドは嬉しそうに問いかける。
「当然だ」
それに対してレオナルドは笑った。
「家から出るのは三カ月ぶりだからな!」
レオナルドの言葉に対して、背後でジェームズがため息を零していることだろう。
それでは自ら進んで引きこもりをしているわけではないと告白しているのも同然であることに、浮かれ切っているレオナルドは気づいていないのだろう。
「そうか」
ジェイドはその言葉の真意に気付いていないかのように振る舞う。
「俺に会うのを楽しみにしていたわけじゃなかったのか」
落ち込んでいるかのようにレオナルドの耳元で囁く。
それに対してレオナルドはくすぐったいと距離を取ろうとしたが、離れられない。
「俺は愛おしいレオナルドに会いに来たんだけどな?」
そのまま、頬に触れるだけの口付けをされる。
「なっ!?」
反射的に言葉にならない声をあげる。
それから繋がれている手を振り払おうとするが、離れられない。勢いよく距離を取ろうとすれば、ジェイドに強い力で引っ張られて体勢を崩し、そのまま、ジェイドの腕の中に納まってしまう。
「離せ!」
顔を真っ赤にしながら声を上げても説得力がない。
レオナルドはそれに気づいていないのだろう。
「このままキスをしてもいいんだけどな?」
ジェイドは腕の中に納まったレオナルドの額に口付けをする。
それからゆっくりと解放する。相変わらず手は繋いだままであるが、レオナルドは真っ赤になっている顔を見られたくはないのだと言うかのように早足で門に向かって歩いていく。
……またキスをされた!!
意識をすると口づけをされた場所が熱を持っているような気がしてくる。
……嫌じゃなかったのが最悪だ。
羞恥心で体が熱くなる。
こんなに感情が高ぶったのは久しぶりだったからだろう。
レオナルドに引っ張られる形で歩くジェイドが笑みを浮かべていることには、気づいていなかった。
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