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03-22.
「レオー?」
相変わらずぼんやりとした目でレオナルドを見つめている。
……アルよりはまともな酔い方だな。
不本意ではあるものの、酔っぱらいの介抱は慣れている。
二週間に一度ほど酒を飲みすぎたアルフレッドに抱き上げてほしい等と子供のような要求をされ、宥めるのはレオナルドの役目だ。
「なんだ」
レオナルドは赤ワインを注ぎながら返事をする。
酒に酔っている相手にまともに対応をしても意味がないことはよく知っている。
「へへへ」
……緩み切った顔。
子どものような表情をしている。
酒の影響だろうか。それとも、レオナルドと共に過ごせる時間に浮かれているのだろうか。
……もうじき寝るだろうな。
判断がつかない笑い声をあげるジェイドに対し、レオナルドはなにも返事をしない。
「いっしょにねよーぜー」
呂律が回らない口調のまま、両腕を天井に向けている。
「断る」
寝具の上で転がりかねない勢いで動いているジェイドに対して、肯定する返事をするはずがなかった。
「えー、なんでだよー」
……ろくな目に遭わないからだろ。
先週は交渉を成立させなければいけなかった為、ジェイドの強引で最低な行動も嫌々ながら受け入れるしかなかった。
「子どもじゃないんだ。一人で寝てくれよ」
しかし、今は違う。
正式に婚約が結ばれ、交渉も無事に成立している。
レオナルドがジェイドに従わなければならない理由は一つもない。
「しかたねえーなー」
ジェイドはそのまま目を閉じた。
……寝始めたな。
早くも寝息を立てつつあるジェイドを見ながらレオナルドは酒を飲み干した。
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