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03-20.

* * * 「……レオ?」  一度、射精をしたことで理性が戻ってきたのだろう。  ジェイドはゆっくりとレオナルドの体内から自身の陰茎を抜く。本日、一回目の射精ということもあり、かなりの量が出たのだろう。  抜いた衝撃でレオナルドの穴から少量の精液が溢れた。  その姿を見ているだけで欲情してしまう。 「気絶させるつもりはなかったんだが」  僅かに痙攣をしているが、生死に問題のあるようなものではない。  まだ快楽が抜けていないのだろう。蕩けた表情のまま、目は閉じられていた。そのまま、眠りついてしまってもおかしくはない。 「ごめんな。無理をさせた」  頬に口付けをする。  初日から気絶をさせるつもりはなかった。理性を保っていたつもりだったのだが、根本的な体力が違うということを忘れていた。  ……寝ているレオナルドも可愛い。  息を飲む。  そのまま行為を続けてしまいたいという欲を振り払う為、深呼吸をする。  ……腹を壊すといけないからな。  心を無にする。  騎士になる為に重ねてきた過酷な訓練の日々よりも、今から行わなければならない後処理の方が心に大きな負担になる。しかし、翌日、レオナルドが激しい腹痛で苦しむ姿を想像すると心を鬼にするしかなかった。 「これはレオナルドの為だから」  自分自身に言い聞かせるようにジェイドは呟いた。  ……避妊具を用意していたのに。  事前準備はしていた。  レオナルドの負担を軽減することができるようにと色々準備をしていたのだが、初めての本番に興奮を隠し切れず、理性を失っていたのだろう。  使われなかった避妊具が入っている箱に視線を向ける。  忘れることがないようにと寝具の近くに置いてあったのだが、次回からは場所を変える必要があるだろう。  ……エロい。  気絶をしているレオナルドに手を出さないようにしなくてはならない。  男性同士の性行為を行った後には必需品とされている魔法薬が入っている瓶に手を伸ばす。同性婚が一般的になった頃に開発された調合が難しい薬だ。

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