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二人目のレント:攻めさせられたわけで
「そう、だね」
セファが、パックのカフェ・オ・レを手に取る。ストローを突き刺し口に含むと、湿り気を帯びたセファの唇が、窓の外からの光を反射して薄紅色に輝いた。
俺の視線に気づいたセファの目が、眼鏡の奥で少し細くなる。
「美味しい?」
「ん? ああ、セファはここのカルボナーラ、食べたことないのか?」
「ボクはいつも、パンだから」
「そういや、そうだったな。まあ、普通かな」
そうとだけ答えて、またカルボナーラを口に入れたが、俺を見つめるセファの表情が少し硬いものに戻ったような気がした。
何かを期待して、そしてそれが叶えられていない不満……
「食べるか?」と尋ねると、セファは「いいの?」と答えたが、俺が「ああ、もちろん」と言ってお皿をセファの方へ渡そうとすると、セファはそのまま口を俺の方へと突き出した。
「いや、あのな、セファ」
「何?」
「い、いや、別に」
操り人形になったかのように、フォークに巻き付けたパスタをセファの方に差し出す。それを咥えるセファの唇が、妙に艶めかしく感じられた。
「うん、普通だね」
そう言って笑うセファ。そのまま俺がそのフォークでカルボナーラを食べると、満足そうに口元に微笑みを浮かべた。そして自らはサンドイッチを食べ始める。
一体……一体セファは何を考えているのだろう。
確かに俺たちは『親友』という関係だが、今日は何か……何かが違っている。いや、何かというか、全てが。
どう見ても異常な状況であるはずなのだが、俺の頭が付いていけてないようだった。
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