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二人目のレント:誤解、なのだろうか
「そんなことより、トウヤ、あれ見えるか?」
図書館前の銅像を指さし、トウヤにそう尋ねる。
「ん? ホモ像がどないしたんや。お前さんらの先輩やで」
こいつはほんとに遠慮も容赦もない。俺の指さす先を見て、トウヤがまたニヤニヤと笑った。
「違うっての。ほら、何かノイズが入っているみたいに、線がギザギザになってるのが見えるだろ」
その言葉に、トウヤはしばらくの間じっと銅像を見つめていたが、それに飽きたかのように俺の方へと振り返った。
「いや、そんなもん見えへんで。お前、熱でもあるんとちゃうか。まあ、そんな別嬪さんの横におれば、しゃーないか」
更にいやらしい笑いを俺に向ける。
「馬鹿言うなよ。ほら、あれだよ、見えるだろ? ビビッて、なってるだろ」
「んー、わからんわ。普通にしか見えん。とりあえず、デートが終わったら眼科行ってこい。ワシはもういくで」
そう言うとトウヤはまた「熱いわぁ、熱いわぁ」と言いながら、正門の方へと急ぎ足で去っていった。
「あいつ、絶対誤解したぞ」
トウヤの姿が見えなくなるのを確認した後、俺はセファにそう詰め寄ってみる。
「誤解? 何を?」
セファが俺に顔を寄せてそう尋ねたが、二人の肩と肩が触れた後、セファはくっついたまま離れようとはしなかった。
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