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三人目のレント:セファの体を
セファの口から、んっという息が漏れる。
なぜ? どうして?
そんな疑問たちを、セファの体から発せられる、まだ熟れ切っていない果実のような匂いが、食いつくしていった。
俺の腕がセファを抱き寄せる。自然と合わさった二人の下半身が熱い。それがどちらの熱なのか、いや、どちらの熱なのかもわからなくなるくらいに、抱き合った。
絡まりあった舌を通して幾度となく互いの唾液が交換されていく。
止まらない……
無意識のうちの俺は、セファが着ていたTシャツの中に手を入れ、少しずつ脱がしていった。それを誘うかのように、セファが両腕を頭の上に交差させる。
少しずつ露わになっていく、肉のほとんど付いていない白い肌。少し浮き出たあばらの上を俺の手が這い上がる。
セファの、渇望にも歓喜にもとれる声が、部屋の中にあふれた。
と、胸のあたりに異物を感じる。まくり上げたTシャツの下には、肌色をしたシリコン製のパットが張り付けてあった。
「す、少しでも、女の子っぽくしたかったから」
顔を横に向け、目だけを俺の方に向けるセファ。
その時、頭の中で誰かの声が響いた。
――ソウジャナイ。
何が? 分からない。
それは、セファなりの願望の表れだったのかもしれない。しかし俺には、そのセファの体に張り付いている白色の物体が極めて邪魔な、セファをセファでないものにするまさに『異物』のように見えた。
俺の手が、シリコンパットを乱暴にはぎとる。その下から、白い肌に映えるピンク色の蕾が現れた。
息を飲むセファの気配が俺の耳に伝わる。
俺の舌が、夢中でセファの肌の上を這っていった。小さな穴の開いた臍から痩せたお腹の外縁を縁取る肋骨に到達し、少し浮き出た骨の段を乗り越える。
セファの肌を這いまわる俺の粘膜が、セファの胸の蕾に触れた瞬間、セファの口から至上の喜びともとれるような喘ぎ声が漏れ出した。
「あ、ああ、レント!」
そう……その、まさにそのセファの喘ぎ声が……俺の意識を突然、『リアル』へと引き戻した。
何の予兆もなく、ただ、突然に。
――俺は、何をやってるんだ?
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