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第五章・2
「私の指を、しゃぶっていなさい」
「う、うぁ」
指が入ると、嫌でも口を開けておかなければならない。
やがて悠希の口からは、荒い息と一緒に細い声が出始めた。
「あ、ぁあ、ん。はぁ、はぁ、うぅぅ……」
(やだ。声が出ちゃう)
恥ずかしい!
こんな。
ああ、何だか体が変。
耳が、熱い。
耳だけでなく、全身が火照ってきちゃう。
「悠希は、発情期はもう迎えているか?」
「ま、まだです」
「では、中に出してもいいか?」
中に?
出す?
一瞬考えた悠希だったが、その意味が解ると身をよじった。
断ることは、できるだろう。
初めてだから、それは許して欲しい、と。
それでも悠希は、首を縦に振っていた。
「どうぞ」
「ありがとう」
悠希の返事に気を良くした貴士は、その口から指を抜き、今度は下の口に押し込んだ。
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