33 / 90
第五章・3
もう、どれくらいこうしているんだろう。
ほんのさっき、始まったような。
でも、ずいぶん長くこうしているような気もする。
「あ、あぁ。んっく、うぅ。はぁ、あぁ……」
悠希は、貴士に指で体内を探られていた。
一本だった指は二本に増やされ、ぬぷぬぷと出入りしている。
長い貴士の指が、時々敏感な部分に当たる。
そのたびに悠希は、体に電流が走るような快感を覚えていた。
「も、もう。許してくだ、さい……」
「気持ちよく、ないか?」
「いえ、あの。ごめんなさい」
気持ちいい。
それを、悠希は認めたくなかった。
(僕、こんなにいやらしい子だったんだ)
初めてのセックスで、もう悦楽を貪るような、はしたない子。
そんな自分を、認めたくなかった。
「っやぁ! あっ!」
声が、出ちゃう。
そのたびに、先端から露があふれる。
悠希は自分の体の変化に、ついて行けないでいた。
ともだちにシェアしよう!