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第五章・4

「悠希、もっと力を抜いて」  貴士は、悠希のこわばりを見抜いていた。 「体でなく、心の力を抜いて」 「心、の」 「そうだ」  愛の行為は、恥ずかしいことじゃない。  叱られるようなことでもない。 「今私たちは、愛し合っているんだよ。それを、忘れてはダメだ」 「愛し……」  悠希の目の前は、ぱっと明るくなった。  今、何て?  貴士さん、僕たちが愛し合ってるって……! (いいのかな。言っても、いいのかな)  愛しています、って。  初めて会った時から、好きでした、って。 「貴士さん」 「いい表情だ」  潤んだ瞳を確認し、貴士は悠希にキスをした。  熱い、深いキス。  そうしながら、腰を進めた。  ひくひくと蠢く悠希の後膣に先端を打ち込み、ゆっくりと侵入した。 「う、くぅ! んんぅう!」 「……」  貴士の圧に、悠希は悲鳴を上げていた。  熱い。  硬い。  太い。  そして、指より奥まで届く長さ。 「う、ぐぅーっ!」  挿入の衝撃で、悠希は射精してしまっていた。

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