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第五章・7

 悠希に手を握らせたまま、貴士は微笑んだ。 「私は君を、満足させることができたのかな」 「はい……」  恥ずかしい。  恥ずかしいけど、気持ちよかった。 (これが、気持ちいい、ってことなんだ)  思い出すと赤面してしまう自分の言動だったが、貴士はご機嫌なようだ。  悠希は、ホッとしていた。 「あの。僕は、貴士さんを満足させることができたんでしょうか?」 「ああ。とてもよかった」  熱いひとときを過ごせた、と貴士は悠希に触れる程度の軽いキスをした。  もう、怖くない。  貴士さんとのセックスは、素敵だったんだ。  悠希もまた、貴士に羽根のようなキスを返した。 「このままここで、眠っていくか?」 「それが許されるのなら」  貴士さんの腕の中で、眠りたい。 「いいだろう。その前に、体を清めないといけないな」 「あ、僕がやります」  ベッドサイドのウェットティッシュを手にし、悠希は貴士の体を拭き始めた。  しかし、その手が彼の内股に来るところで、止まった。

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