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第八章・2

「初めは全体を包んで。そして、静かに拭いてくれないか」 「はい」  まだ大人しい貴士のペニスを、悠希はていねいに包み込んで拭いた。 「奥から先へ。少し、速さを付けて」 「はい」  そうするうちに、貴士のものは少しずつ硬くなっていく。  その変化に、悠希は驚きつつも嬉しかった。 (僕、貴士さんを悦ばせてあげられてるみたい)  あまりに熱心に扱いていたので、やがてウェットティッシュは小さく丸まってしまった。 「悠希、もういいぞ」 「いえ。素手で、やってみます」  ドキドキしながら、悠希は貴士のそれを直に触れた。  硬くて、太い。  そして、熱い。  表面には、血管が浮いて見える。  ていねいに、心を込めて愛撫した。  貴士を気持ちよくさせてあげたい、一心だった。

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