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第八章・6

「よかったぞ、悠希」 「僕、貴士さんを満足させられましたか?」 「それは、これを見れば解るだろう」  悠希の咥内から放たれた貴士のペニスは、腹に付くかというほど反り返っていた。 「今度は、私が悠希を満足させる番だ」 「……」 「どうした?」 「お願いします」  それは小さな声だったが、深い情欲に満ちていた。  彼は本当に、心から貴士に抱かれたいと思っているのだ。 「いいだろう。受け取るといい」  ローションで潤したペニスを、貴士は悠希に埋め込んでいった。 「あ、あぁ、あ。……っく、はぁ。あぁああ!」  やっぱりまだ、苦しい。  でも、満たされた気分になる。  こんなに、幸せな心地になる。  悠希は、シーツを掴み締め、挿入の衝撃に耐えた。 「う、ふぅ。はぁ、あぁ……」  奥まで、挿入った。  体を串刺しにされている気分だ。  だが、これから狂乱の悦びが始まるのだ。  悠希は震えながらも、期待に胸を膨らませていた。

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