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第十二章・4

 温かだった風が、心地よい冷たさに感じられる。  それほど、悠希の肌は、貴士の心は熱を帯びていた。 「んッ、う。あ、はぁ、あぁ、はぁ。んんあぁ!」 「悠希、痛くはないか。大丈夫か?」  腰を穿ちながらそんなことを問う貴士を、悠希は可笑しく思った。 「ん、もぅ! だったら、こんな所で、シなければ……。あぁん!」 「こんな所でするのは、悠希が初めてだよ」 「あぁ、あぁッ! だ、ダメ、です。誰かに、見られたら……ッ!」 「もう、遅いよ」  青天の下、二人はただ抱き合い、愛し合った。  服をはだけて半裸になり、声を上げて求め合った。  家柄も、育ちも、肩書も、全てをかなぐり捨てて、ただ二つの命になって溶け合った。 「っく。僕、もう、もう……ッ! んぁ、はぁ、あぁ! た、貴士さんッ!」 「一緒にいこう、悠希」  悠希が数回目の絶頂に達する時、貴士もまた熱い精を彼に渡した。 「あぁああ! うぅ、うう。あ、はぁ、あぁあ!」  体が、自分のものではないように痺れる。  悠希は、痛いほどに腰を貴士に擦り付け、激しい余韻を貪った。  貴士は目の届く範囲全ての悠希の肌に、キスを落とした。 「た、かし、さぁん、ん……」  甘えた声の悠希が、可愛い。  貴士もまた、甘い後味を楽しんだ。

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