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第1話③

酒も美味くて、話も面白くて時が経つのはあっという間だった。そろそろ帰ろうと近くにいたスタッフにチェックを頼む。 また来ようかな。次はデッキ持っていくかと少し酒が回った頭でボーと考えていて ふと顔をあげると美人が目の前にいた。 ドキッ 持っていたスマホが飛び出しそうになった。 美人が少し屈んで同じ目線になったおかげで顔がよくみえる。 俺の大学にいる女の子よりも肌が艶々としていて、毛穴がひとつもない。唇はほんのり色づいて下唇はぽってり膨らんでいてエロい。 驚いて目を見開いたまま見惚れていた俺に美人は一瞬意地悪く笑った気がした。若干上がっていた口角が戻るのは少し遅かった。 美人の白く傷もささくれもない陶器のような掌に折り目や汚れが目立たない自分が持っている中で比較的綺麗な札を選んだ。 美人は細長い指でお札の枚数を確認すると 「お釣り用意しますね。少し待ってて下さいね」清流のような綺麗な声を俺に向けるとパタパタと奥の扉へ行ってしまった。 後を追うように揺れる黒髪にも目線を奪われてしまった。いい匂いがしたな。 あの長さだと肩に付くかつかないぐらいだろうかと、もう俺の脳内は美人でいっぱいになっていた。

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