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レコードでも、良い音(ね)を鳴らすが、生の演奏は、一味違う。
演奏者の腕が、勝負所といった感じだ。
巧みに、鍵盤を操る姿は、他の世界より、美しいと、ゼウダ-は、感じている。
何時しかの時代に…。
『ピアノを、弾く時は、性行為をやっている感じの軽やかな動きだ』と、述べた者がいた。
性行為と、一緒?
なんて、半ば、信じていなかったが。
相手が…。
屈辱に、乱れる姿は、確かに、演奏している時に、流れる様な動きだ。
繊細に操る指が、実に、エロチック。
まるで、其処だけで、繰り広げられている伽の様だ。
乱してみたい欲求が、疼くのは、やはり、性なのだろう。
事実、聖書にも、そいゆう表現が、含まれていたりするくらいだ。
例えば、ダンテが、書いた『神曲』は、魔族の間でも有名な作品だと言える。
ざらっと、綴るのではなく、表現をして、エロさを、最低限にする。
比喩表現が、出来ていると思った。
これを期に…。
ダンテが、例えるエロリズムを。
勉強するのもありだが、我自身、性欲に、関して、疼く、相手が居ないと始まらない。
其処に『愛』が、存在するなら、相手の身体を、喜ばせる事が、愛の一種なのだろう。
魔族でも、玩具を愛でる様な感じで、人を、慈しむ場合もある。
特殊と言えば、特殊なのだろう。
だから、繊細なピアノの様に、扱いが、難しいのだ。
鍵盤を、弾く、指が、軽やかに、エロを奏でていく感じは、アイツは、意図も簡単にやって退けるのだろう。
伊達に、魔界帝国を統べる魔王の傍に、支えている訳じゃない。
嗜み程度の礼儀を弁えながら、奏でていく。
謂わば、語り継ぎの様なスタートで、叙情詩を綴っていく。
彼にしか出来ない技だ。
『女性は、直ぐに抱くと、快楽の海に、溺れる』
繊細な体躯を、壊さない様に、扱うのが、難しいと、言いたかったのだろうかと、今になって思うゼウダ-だった。
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