13 / 41

2-9

印象的なブルーグレー色の髪、冷めて見える青金色の瞳。 どれも、彼の特徴と、言えるだろう。 噂は、兼々、聞いていたが。 ウリエルが…。 相手にするのは、初めてだ。 魔王の、右腕という肩書きがあるくらいだから、自分より上なのは、把握済み。 これほどの男が、指揮を取る軍隊が、下界を襲っていると、真実味を、叩き付けられると、恐ろしい物を感じる。 『『プリゾ』の家系は、少々、厄介ですよ』 ー…解っています。 傍に、居るだけで、感じる威圧感。 押し潰されそうになる圧倒的な力差。 これが、魔界エリート組に立つ、人物の力量なのだろう。 例え、熾天使(セラフィ-ム)が、何人と掛かろうとしても、この、男には、敵わない。 実力の差を、思い知らされる。 ー…貴方は、危険。 心の中で、蟠りが、生まれる。 ウリエルは、相手の気迫に、圧倒されるばかりであった。 噂では、天候を、操れるとか、上層部や、前七大天使が言っていたのを思い出す。 『流石、魔王の右腕。一筋縄ではいかない。私達の部下は、軈て、全滅させられそうになった』 そんな力を持っている彼が、下界で、部下達の動きを観察とは、余裕ある態度が、何とも言えない。 傍観にしては、趣味が悪すぎる。人間の生きざまを見て、微笑んで、嗜んでいるのか。 それとも…。 気まぐれか。 ウリエルは、彼の行動が、読めない事に悩んだ。 確かに、噂通りの精悍の顔付きは、女神も落ちるだろう。故に、大人の色気という物が溢れ出しているのが、苛っとさせる。 自分の容姿を理解しているのか、不明だが、こいゆう風に、余裕綽々な所を見ると、容姿は、あまり関係ないのか。 それとも、単なる当て付け。だとすれば、益々、喰えない。 しかしながら、この、男は、見れば見る程『ティーベル三兄弟』に並ぶくらいあると、自覚させられてしまう。 彼方は、彼方で…。 美形の塊だ。 ー…長男のアルザリ卿を見れば。 周りの男集団は、敗北決定を、押し付けられる。

ともだちにシェアしよう!