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―異界 ゼウダーの、爪が、ウリエルの乳輪を軽く引っ掻く。 痛みと、妙な感覚に悶える。 「声を、我慢しているのも結構だが、耐えるのは苦しいだろう?それとも屈辱的か?」 面白そうに笑みを溢しながら、再び、乳輪に刺激を与えた。 これが、屈辱的なら余程、良かったに違いない。けど、今の状態は、屈辱的な感情より凌辱的な感情の方が大きい。 何時までも、我慢に、耐えられる訳ではない。 与えられる刺激が、激しくなればなる程、辛いのは自分自身だと解ってはいるが。七大天使としての自尊心を捨て、魔族の手に抱かれるなどという思いが強い。 「強情だな。素直に身を預ければ、楽なのに…」 「あっ」 「そいゆう強情な所も中々好ましい。存分に虐げて、我の色に染めたくなる…」 耳朶を擽る甘いバリトンの声で囁かれ、耳を吸われた。 ビクッとくる感覚が、恥ずかしさを込み上げさせていく。 この、男の面白そうな顔が、ウリエルにとっては、有り得なかった。 先手を取った優越感が、彼を支配しているのだから、なされるがままな状態。 逞しくある身体が、エロい。 翻弄される意識の中で、ウリエルは、思った。 何時しか、開いた本に載っていましたっけ。 『神は、願えば、御子を授かる』。 そいゆう物語が…。 あった様な。 ふんわりと、浮かぶのは、若き頃に、御子の作り方のカルマを読んだ事があった。 神同士の行いは、知っている。無論、大天使達の子作りに関しても、記されていたのを覚えている。 そんなの、何時、使うかも解らない中、ウリエルは、暗記していた。 『これが…神同士。あ、男性同士もあるんですね。まぁ、性別を持たない人種も居ますし。これはこれで、アリですね』 凄く、興味深かったのを思い出した。 タイトルが、エゲツないくらい古かった気がする。 彼は、思わず、自嘲した。

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