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光溢れる中、見えるのは、ステンドグラス。 これは、ウリエルが、神王の娘の専属に、選ばれる日の事だろう。 誰もが、息飲む中…。 緊張のあまり、唾を飲む音すら、気になる。 『では、姫の専属を、発表する』 そんなのは、最初から決まっている。 『ミカエル…。ガブリエル、ハニエル、サキエル、サリエル、ウリエル、そして…』 これは、神々が、愛した神王の娘が、決めた専属。 決して…。 変えられない掟が。 ー…其処に、存在した。 あの時、私は、一つの事に、執着した。 ただ、彼等が…。 綺麗だと、思った。 母様のお仕えする次期七大天使を、自分の専属にしたいと、思った時、初めて、行動に、移してみた。 『母様…。私、七大天使を、専属として欲しいです』 そう、告げた時、母様は、微笑った。 『レイナ、それ、難しいかも知れないよ?それでも、七大天使を、専属に?』 当たり前です。 必ず、自分の手で、七大天使を、専属に。 そんな記憶の中を泳ぐ、貴方は…。 何時も、美しく、清くが、モットー。 私の、ただ一人の親友。 ー…ウリエル。 『お嬢様…』 時折、見せる笑みは、儚く。 『時々、見せる無邪気さは…少女の様な…』 だけど…。 何処までも、綺麗な彼に。 『悪どい彼女に…』 ー…“神の導きが、あります様に”。 『ギリセ様の、お仕置きがあります様に…』 儚い儚い物語に、弾かれるは、運命の曲。 ショパンのデビュー曲『プレリュード』を、奏でる。 軽やかな指使いに、エロチックなメロディー。 鍵盤に、添えられる指が、弾いていく。 フラットを、利かせた部分は、何とも言えない。 まるで、戴冠式の様な、光景さを、思い浮かばせ、緊張の波に、飲まれていく。 豪華絢爛さが、より、引きわ立たせる。 神王に、名前を呼ばれた瞬間の様だ。

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