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行為そのものが、初めてなのは解るが、色気がな。
これは、他の男に、見せるのが、勿体無い。
我は、自身を捩じ込みながら、考えた。
「っ、ぃっ…はぁ…ぁっ…」
「もう少しだ」
手で頭を撫で上げ、唇をなぞっていく。
犯している相手は七大天使なのに…。
「んっ、あっ…っ…」
「いい子だ。挿入ったぞ」
そう、耳元で囁き。
今、まさに一体で繋がっている。この、大天使と自分。
我は、ゆっくり、動いた。
与えられる刺激に、反応し、彼は、甘い声を漏らしていく。
「んっ、あっ…ゃ、ん…」
「中も中で、厭らしい音を奏でる」
「あ、ふぅ…」
徐々に、動きを速めると、締め付けが良くなる。
これはこれで、慣らしていくのが、楽しみだ。
羞恥に染まる顔が、たまらなく、見ていたくなる。
『貴方は、何時も…上の空で、御座いますね』
ふっと、亡き妻の言葉が、甦った。
『跡取りを残す為とはいえ、家の為に、契りを交わす必要があったのか、私には、不明で、御座います。しかし…貴方は“プリゾ”の宿命に、購えない』
だとしたら、ソナタは、政略結婚の為に、道具にされた女だ。
それを、意味するものは、ソナタが、解っているだろう。“プリゾ”は、魔王の右腕として、代々、株(くいぜ)を、守ってきた家系。
魔界貴族最高峰“ティーベル”に、並ぶ家柄だ。
勿論、妻は、一人とは、限らないのを、知っていた筈。
なのに…。
一人の妻とは。
ー…笑える。
この世は、森羅万象に、従い。
見えない掟に、従う場合がある。
我が、魔王の右腕なら、尚更だろう。
ちらりと、ウリエルに、視線を落とせば、頬が、紅潮している。
何と、初々しい。
こんな姿を、契りを交わす相手に見せたら、我は、間違いなく、天界に、影響を出しているの間違いなし。
だから、頼むから。
そんな表情を見せてるのは、我だけにしてくれ。
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