26 / 41

3-11

行為そのものが、初めてなのは解るが、色気がな。 これは、他の男に、見せるのが、勿体無い。 我は、自身を捩じ込みながら、考えた。 「っ、ぃっ…はぁ…ぁっ…」 「もう少しだ」 手で頭を撫で上げ、唇をなぞっていく。 犯している相手は七大天使なのに…。 「んっ、あっ…っ…」 「いい子だ。挿入ったぞ」 そう、耳元で囁き。 今、まさに一体で繋がっている。この、大天使と自分。 我は、ゆっくり、動いた。 与えられる刺激に、反応し、彼は、甘い声を漏らしていく。 「んっ、あっ…ゃ、ん…」 「中も中で、厭らしい音を奏でる」 「あ、ふぅ…」 徐々に、動きを速めると、締め付けが良くなる。 これはこれで、慣らしていくのが、楽しみだ。 羞恥に染まる顔が、たまらなく、見ていたくなる。 『貴方は、何時も…上の空で、御座いますね』 ふっと、亡き妻の言葉が、甦った。 『跡取りを残す為とはいえ、家の為に、契りを交わす必要があったのか、私には、不明で、御座います。しかし…貴方は“プリゾ”の宿命に、購えない』 だとしたら、ソナタは、政略結婚の為に、道具にされた女だ。 それを、意味するものは、ソナタが、解っているだろう。“プリゾ”は、魔王の右腕として、代々、株(くいぜ)を、守ってきた家系。 魔界貴族最高峰“ティーベル”に、並ぶ家柄だ。 勿論、妻は、一人とは、限らないのを、知っていた筈。 なのに…。 一人の妻とは。 ー…笑える。 この世は、森羅万象に、従い。 見えない掟に、従う場合がある。 我が、魔王の右腕なら、尚更だろう。 ちらりと、ウリエルに、視線を落とせば、頬が、紅潮している。 何と、初々しい。 こんな姿を、契りを交わす相手に見せたら、我は、間違いなく、天界に、影響を出しているの間違いなし。 だから、頼むから。 そんな表情を見せてるのは、我だけにしてくれ。

ともだちにシェアしよう!