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花々が、舞い散る中、リオの城は、幸せな空間に包まれていた。 今宵は、神王の娘が、専属を決める日だ。それも、本人直々なのだから、誰もが、息を飲む。 『あれが、神王『ギリセ』と、魔王『セリオン』との間に、生まれた愛娘』 ひそひそと、聞こえる声に、少女は、怪訝な表情をする。 『ですから…皆は、忘れているかも知れませんが…』 『お止めなさない…。レイナ』 『ー…アイリス、お母様…』 『其処は、お母様じゃなく、アイリスと、呼んで欲しいわ。確かに、私も…母親ではあるけど』 少女の脳裏に、話を掛けてきたのは、長い白い髪をした女性だった。 冥界王族『フォルテッシモ』の主である。父親が、何も言わず、母親との契りを許した相手。 そう、少女は、神王と魔王と冥王の血を混ぜて出来た娘だった。 ただ、これは、彼女と両親しか知らない事である。 『しかし、仮にも冥王ですし。母様に、怒られてしまいますわ…』 『大丈夫よ。ギリセは、早々に怒ったりしないわ。レイナ、それは、血が呼び掛けるから、本能的に、解るでしょう』 確かに、彼女が言う様に、母親の事は、解る。 伊達に…。 白き絶対神だった時に、育てた御子ではない。 嘗ての絶対神『クラエティア』の落とし胤。それは、立派に、育ったと思う。 白き絶対神『サファリア』の加護を受けた神王。 そして、彼の兄『クラエル』も、また、クラエティアの子供だった。 誰も、闇には、触れない。触れてしまえば、過去の血塗られた禁忌が、開かれてしまう。 『叔父でありながら、甥でもある『クラエル』。私の加護は、ギリセにしか与えないのは、貴方が…』 既に…。 ー…堕ちているから。 これは、長年と、続いてきた因縁の始まりなの。 鳴り始めている鐘の音を、聞く頃には、貴方は、命の道を削がれている。

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