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【サキエルside】 敢えて、見ないフリをしていたガブリエルとサリエルでさえ、視線をミカエルに向けた。 正座しながら小さく、縮こまっている七大天使の長を見た事あるだろうか。 今、まさに、その人物は幼なじみで同胞であるウリエルに説教されている。 彼の部下が見たら哀れむだろうな…。 仕事面ではしっかりした性格なのに、ドコかでたまに抜けてしまうからミカエルは危ういのだ。ましてや、自分の発言に影響力が大きいとは思っていない。 馬鹿なのか、天然なのか。 「はぁぁ…」 鳴呼…。 ウリエルが、深い溜め息を吐きたくなるのも解るよ。 僕も彼を見ていると、吐きたくもない溜め息が出てしまうから。 ―…何回も。 「…後は、頼みました」 えっ。 雨でも、降らせるつもり? ウリエル、いくら、ミカエルが、天然で、バカだからって、放置は無いと思うんだ。 僕達に、押し付けようとしているの見え見えだよ。姫に、バレたらどうすれば良いの。 僕ですら…。 お咎めは、嫌だよ。 怒りよりも、姫の嫌味、勝つのは解っているけど、彼を、野放しにしてて良いのだろうか。 考えてみたんだ。 彼女の異なる瞳が、蔑む色合いを出した時、回りが凍てつく。それは、専属になって気付いた。 姫の言葉は、七大天使の僕達でも、打撃を受ける。 況して、魔界帝国のエリート組で、魔王の右腕であるゼウダ-卿だと、情報を受けた場合を想定して、何故、上に、報告をしなかったのかと、お咎めがくる。 どんなに、強く、戦闘に長けている兵士でも彼には敵わないだろう。 あの容姿だ。 ー…七大天使は、赤子も同然。 実際、僕達は、ゼウダ-卿の玩具みたいなものだろう。 大抵、闘う時は、凄く、あしらわれて、鼻で笑っている。 あれは、一度、見たら、脳裏に残る表情だ。 美形に嘲笑されると、傷付くのは、何故だろう。
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