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6ー2
【サキエルside】
敢えて、見ないフリをしていたガブリエルとサリエルでさえ、視線をミカエルに向けた。
正座しながら小さく、縮こまっている七大天使の長を見た事あるだろうか。
今、まさに、その人物は幼なじみで同胞であるウリエルに説教されている。
彼の部下が見たら哀れむだろうな…。
仕事面ではしっかりした性格なのに、ドコかでたまに抜けてしまうからミカエルは危ういのだ。ましてや、自分の発言に影響力が大きいとは思っていない。
馬鹿なのか、天然なのか。
「はぁぁ…」
鳴呼…。
ウリエルが、深い溜め息を吐きたくなるのも解るよ。
僕も彼を見ていると、吐きたくもない溜め息が出てしまうから。
―…何回も。
「…後は、頼みました」
えっ。
雨でも、降らせるつもり?
ウリエル、いくら、ミカエルが、天然で、バカだからって、放置は無いと思うんだ。
僕達に、押し付けようとしているの見え見えだよ。姫に、バレたらどうすれば良いの。
僕ですら…。
お咎めは、嫌だよ。
怒りよりも、姫の嫌味、勝つのは解っているけど、彼を、野放しにしてて良いのだろうか。
考えてみたんだ。
彼女の異なる瞳が、蔑む色合いを出した時、回りが凍てつく。それは、専属になって気付いた。
姫の言葉は、七大天使の僕達でも、打撃を受ける。
況して、魔界帝国のエリート組で、魔王の右腕であるゼウダ-卿だと、情報を受けた場合を想定して、何故、上に、報告をしなかったのかと、お咎めがくる。
どんなに、強く、戦闘に長けている兵士でも彼には敵わないだろう。
あの容姿だ。
ー…七大天使は、赤子も同然。
実際、僕達は、ゼウダ-卿の玩具みたいなものだろう。
大抵、闘う時は、凄く、あしらわれて、鼻で笑っている。
あれは、一度、見たら、脳裏に残る表情だ。
美形に嘲笑されると、傷付くのは、何故だろう。
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