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ー魔界・プリゾ邸・書斎部屋
「シイガが、変なやる気を起こしているのは、何か、アドバイスをしたのですか?」
にっこりと笑む男は、資料を目に通していたゼウダーの手を止めた。
首を傾げながら尋ねられた質問に彼は。
「別に。あんなのは、アドバイスにあたらないだろう…」
「彼には十分なアドバイスだったらしいですよ。魅力を感じた誰かが居たと捉えて宜しいのですよね?あのやる気は」
机に座り、足を組む。
「座るならソファーに座ったらどうだ。アルザリ…」
相手を睨み付けるゼウダー。
「おや、これは失礼…」
くすくすっと、喉を鳴らしながら笑う。
珍しく顔を出したと思えば、相変わらずな態度。他の輩の前ではどうか解らないが、必ずプリゾ邸に来たらこんな感じだ。
よく、考えれば、アルザリが畏まった姿を見たら、吐くかも知れないと、考えた彼は、仕事とを進めていく。
確かに、シイガに、アドバイスというか、けし掛けたなのだ。
意中の相手が居るなら、動かずにはいられない。
これも、ウリエルに、逢いたい一心だ。
あの、乱れた姿は、恍惚で、男の欲をこよなく掻き立ててる。
色香に酔わされた表情を見ると、綺麗だと、ゼウダ-は、思う。
一方の、ラファエルに欲情をしたシイガの気持ちは解らないままだった。
そう、考えれば、己の好みが理解出来てしまう。抱くなら、綺麗な顔をした彼しか居ない。
政略結婚の末に、気付いていれば、我も。
なんて、安易な考えが出てしまう彼は、内容を確認して、サインしていく。
此処の所は、主に現神王の動きについての報告が多く、猫の手を借りたい。だが、目の前に居る男はクスリと、笑うだけで、手伝ったりはしないだろう。
どうせ、報告内容を把握している。
現神王が、七大天使まで動かしてまで、戦闘になる理由は、魔界と関係しているのか不明だが。
少なからず良い予感はしない彼であった。
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