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そう、考えると、誰も予想が出来ない。
アルザリこと、彼は魔界貴族の頂点とも言える『ティーベル』。
そして、プリゾはティーベルの次に並ぶ貴族なのだ。
「これで宜しいですか?」
「普通は、ソファーに座るのが常識だろう。人が仕事している時に堂々と」
資料を整えたゼウダーは椅子から立ち上がり、ソファーへと移動した。
グラスを二つ並べ、ブランデーを注ぐ。
「私の目当てが解るとは…」
「飲みたいなら飲みたいと素直に言え!」
「んふふふ…」
「どうせ、シイガを誘ったが断られたのだろう。何かを察したソナタは我の所に来たという訳か」
グラスを取ると口に運んだ。
「まぁ、大体は当たっています…」
アルザリの表情を見て、他に目的がある様に見えた。
この口ぶりは、全てを見透かしていると、捉えるゼウダ-。魔界では、隠し事も、嘘も普通なのに、彼は、話を聞いて、納得したのだろう。
憶測で、物を言わないタイプだと、理解している。
だから、今回の件が、面白い事だと、察知したに、違いない。
それとも…。
ー…こないだの件だろうか。
同朋なら、解り得ると思うが。
『次期神王候補に、手を出したらいけないじゃないですか』
お咎めは、来ないのは、彼は、知っていた。
楽しそうにしている辺り。
「もしかして、七大天使が、関係しているのか?」
「半分、当たりで、半分、違います…」
「どの辺りが」
「私達は、遊戯を楽しむ種族です。この世に面白い事があれば、好都合だと考える生き物。しかし…」
彼の科白に、ゼウダ-は、口元を上げた。
何て、好都合な事だろうか。常々、恵まれている。
やはり、今宵は、酔いしれてしまうのかも良いのかも知れないと、彼は思った。
同朋でもある男に感謝したくなる。
年代物のブランデーを、取り寄せたくなるくらい、彼は、優越に浸りたくなった。
世界三大ブランデー『コニャック・アルマニャック・カルバドス』。
部下に、命令して、仕入れておこうと考えた。
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