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6ー7
ー天界・ウリエル邸・薔薇庭園
色んな品種の薔薇が咲き乱れた庭園。
種類様々な花が咲く中で、ウリエルが一番気に入っている場所。
白い薔薇に鼻を近付け、匂いを嗅ぐ。
先ほどの怒りはドコかに飛ばしてくれる様なほんのりとした甘い香りが鼻孔へと広がっていく。
「ふぅぅ…」
幼なじみであるミカエルには本当、困ったものだ。部下に何を回しているのかと思えば、ゼウダーとの一連なんて。
考えただけで疲れが溜まりそうだ。
「…あんなのは、一度きりなんですよ」
サキエルですらあの時の状況を詳しくは知らない。
それ以上、聞かれはしなかったからかも知れない。ウリエルは間接な説明だけをしただけであった。
それを忘れようと自分に言い聞かせていた矢先にミカエルの部下達に対しての対応。
まったくもって、運が付いていないと思う。
こんなんだったら、最初から休暇を貰っておくべきだと考えた。主である彼女の耳に入らない事を切に願う。
「そういえば…姫は、あの時、何を見せようとしたのやら」
ゼウダ-に、抱かれながら、主の言葉を思い浮かぶる事も不可能に近かったが、今、思い返せば、珍しい本だという事は解った。
しかし、覗き見は、立派な犯罪だと、ウリエルは、理解した上で彼女に、抗議したい。
翻弄されていく身体が、脳髄まで響いてしまう。喘ぐ度に、記憶の断片が、消えていく感じがした。
あれが…。
魔界帝国エリート組の成せる技なのだろうか。
そう考えた時、ウリエルは、身震いした。
圧倒的な力差を見せ付けられたのは言うまでもないが、男としての自信も、見せられた様な気がするのは、彼の色気のせいだろう。
迂闊に、近付いたら、牙を向けられたという考えも出るが、自尊心の塊と言っても過言ではない『ティーベル』に並ぶ貴族。
傷付けられたら、荒れ狂うのが、想像出来てしまう。
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