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第10話 地下室の奴隷たち~紳士クラブの正体①~※

  「ううっ、寒いっ」  長い階段を降り、地下室の重い扉を開け、中に入ってきた中年男は、12月の北風に赤くかじかんだ手をさすった。 「……い――いらっしゃいませ――」  入ってすぐのエントランス。大理石テーブルの上。  裸の少年が、天井を仰ぎ、両足首をつかみ脚をV字に開いた格好で、男を出迎える。    額に油性マジックで描かれた「10」の文字。  乳首に穿たれたクリップから細長いチェーンで連結された「Welcome」の真鍮プレート。  プレートの重さで、少年の乳首はビヨーンと伸び、いまにも千切れてしまいそうだ。  だがそれよりも目を引くのは――少年のアナルに突き刺さった、数十本の切り花だった。 「……ちょうどワシで20……か――」  少年の体の横に置いてあった花――その日は山茶花(サザンカ)だった――を、男は、少年のアナルに突き刺す。 「……フッ……! うっ……!」  少年は、ビクビクッと全身を震わせる。  少年の腹のなかには、生け花用のスポンジが入っており、少年はウェルカムボード兼、人間花器として、クラブの客を出迎える任務を負っていた。   「あ……ス……ステキなお花を――ありがとうございます……」  粗相をしないよう、ペニス全体を覆うステンレス製の貞操帯を嵌められた少年は、男に礼をいう。 「紳士クラブへようこそ……ご主人様――」  どこからともなく現れた黒服の男が、後ろの扉の鍵を閉める。 「ワシで最後か」  男は満足そうにほくそ笑む。 「はい」  黒服は、「ようこそ。今日もこころゆくまで、楽しい夜をお楽しみください」といいながら、男をエントランスの先にあるカーテンで仕切られたクローゼットルームへ案内する。 「今日のお客様の椅子は、この子です」 「ほう……」  男の目線が、「待て」の犬のスタイルで四つん這いになった少年に注がれる。  額に油性マジックで描かれた数字は「45」。 (まぁまぁだな……)    素っ裸の少年のペニスは、ぶらん、と垂れさがっていた。  黒い首枷と乳首のニップルクリップはチェーンでつながっており、首輪を引くと乳首も伸びる仕組みになっていた。 「はどうしますか?」 「そうだな……」  腕組みした男は、 「コックリング付きのアナルビーズで」  という。 「かしこまりました」  男のチョイスに合わせた道具を、黒服が後ろの棚から持ってくる。   「どうぞ」  黒いペニスリングとアナルビーズの連結した淫具を、男にうやうやしく差し出す。 「よーし。お尻をこっちに向けて。入れてあげるから」 「は……はい……」  45番の少年は、男の前に這いつくばり、突き出した尻たぶを左右に押し拡げる。  ヒクヒクと物欲しげに動くアナルを男は覗き込み、   「おやおや。早く入れてくださぁいって叫んでるみたいだ。おマンコ、魚の口みたいにパクパクしてるよ」 「はっ、はいっ……お、おマンコがさびしくて――ご主人様がいらっしゃるのをずっと待ってました……」  少年は尻を振って媚びを売る。  ここにいる少年たちは、嬉しいときは犬のように尻を振るよう、躾けられていた。 「よーし。じゃあ、入れてあげるね」  上機嫌になった男は、少年のアナルにズブッとアナルビーズを突っ込む。 「ウッ……! フッ……! くぅっ……!」  容赦なく捻じ込まれていく突起付きのアナルビーズの圧に、少年の尻振りが一瞬止まる。  とたん、 「おや? イヤなのかな?」  手を止めた男に、少年は慌てて、 「そっ……そんなっ――……ちがいますっ、嬉しいですっ……」  必死でケツ振りダンスを披露する。男の機嫌を損ねたら――もっとひどい責め苦が待っていることは明らかだった。   「ふふっ。おちんちんもプラプラ揺れてるじゃないか。そんなにケツマンが寂しいのか、このマンコが」  次第に鬼畜の本性を表した男が、革靴の先で残りのアナルビーズを少年の腹の奥深くまでグイグイ押し込む。 「うぅっ……! はっ……はいっ……! おっ……おマンコッ、うれしいですっ……!」  長さ30センチはあるバイブをすべて咥え込んだ少年は、変わらず尻を振り続け、主人への忠誠をアピールする。  そんな少年に、 「いつまでケツ振ってやがる。次はチンポプラグだ。仰向けになれ、この淫売」  完全に紳士の仮面を脱いだ男が、少年の尻に蹴りをくらわせる。 「ウッ……!」  前のめりに倒れた少年は、大急ぎで仰向けになり、膝裏に手をかけて大股びらきのポーズをとる。 「フッ、ケツで感じたのか。ガマン汁がタマまで垂れてきてるぞ」 「も……申し訳ございません……」  うなだれる少年の陰嚢をぐいっとつかみ、「ここも縛っておくか」とつぶやいた男は、黒服に白い紐を持ってこさせた。  そして、少年のタマ袋をふたつ、ぐるぐる巻きにして縛り上げ、ペニスの根っこで結んでから、後ろのアナルビーズと連結していたコックリングを前に回す。  シリコン製のそれは、伸ばして、ペニスの先から根元へとスライドし装着する仕組みになっていた。  紐と、リング。ダブルのきつい拘束に、少年は戦慄する。  が、はっとやるべきことを思い出し、 「あっ、ど、奴隷のだらしないチンポ……縛ってくださりありがとうございます……」    男の前に跪き、頭を床にこすりつけてお礼をいう。 「ふん。前も後ろもすぐ漏らすからな、おまえたちは」 「はい……」 「「椅子」になったら絶対に動くんじゃないぞ。酒がこぼれるようなことがあったらお仕置きだ」 「承知しました……」  少年の従順さに目を細めた男は、バイブのリモコンのスイッチを入れる。 「……ッ――! うっ……ううっ……!」  いきなり腹のなかで蛇のようにのたうち回るビーズに、少年は息を詰めて耐える。 「へへっ。ケツ穴えぐられて死にそうか?」  脂汗を浮かべる少年の髪をつかんで顔を上げさせ、 「すぐにはイかせてやらないからな。わかったか?」 「……はい……」 「わかってんなら、とっとと歩け! 犬みたいにケツ振ってな。バイブ咥え込んだドスケベおまんこ、テーブルについたら、ほかの紳士たちによーく見てもらうんだぞ」 「わかりました……」    顔を上げた少年は、よろよろと四つん這いで歩を進めた。  男がイライラしたように、首輪から繋がった太い鎖を引く。とたん、乳首の飾りも引っ張られ、少年は「ううっ!」と悲鳴をあげる。  グイグイと引かれるたび、ビョーンと前に伸びる乳首。 「いっ、いいっ……!」  尻穴のバイブはさらに強くなり、その刺激が連結部分のラバーを伝いチンポにまで伝わる。 「早くしろ、このクソ犬。ケツふりがとまってるぞ」 「うっ……も、申し訳ございません……」  プルプルと尻を振りながら、少年は男の後ろを犬のように這ってついていく。  待ち構えていた黒服が、クローゼットルームの赤いビロードのカーテンを開ける。   その先にあったのは――まるでソドムの絵画のような、おぞましい光景だった。  

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